金剛山は、大阪府と奈良県の県境に位置する標高1125mの関西屈指の人気登山スポットです。
人気の理由は都心からのアクセスの良さと、初心者からベテラン登山者までが楽しめる登山ルートの多さです。
四季折々の自然(花や氷瀑、ヒップそり)などを楽しんだり、健康維持、トレーニング目的登ったりと、ルート選択で楽しみ方は様々です。
金剛山は登山初心者にとてもおすすめの山ですが、「どの登山ルートがおすすめ?」「服装や持ち物は何が必要?」「冬はどうやって登るの?」と不安に感じる方も多いのではないでしょうか。
この記事では金剛登山歴10年以上の私の実体験をもとに、初心者向けの登山ルートや季節別の服装、持ち物、春夏秋冬それぞれの楽しみ方までしっかりと紹介します。
初めて金剛山に登る方はもちろん、何度か登ったことがある方にも役立つ内容なので、ぜひ参考にしてください。
この記事でわかること
・金剛山の基本情報
・初心者におすすめの登山ルート
・季節ごとの楽しみ方
・金剛登山に必要な服装と持ち物
金剛山の基本情報と人気の理由

金剛山の基本情報
金剛山(日本二百名山)
標高 :1,125m
登山シーズン:通年
駐車場 :有料駐車場あり(600円)
主な登山口 :①百ヶ辻(伏見峠林道、南登山口)②金剛登山口(西登山口)③水越峠(北登山口)④奈良県側登山口
コースタイム:登り約1時間30分~3時間
標高差:450~650m
山頂施設:トイレ、売店、食堂
金剛山は登山道やトイレ、売店、食堂などが整備され、通年楽しめる登山スポットです。

コースタイムは選択する登山ルートにより幅があり、自身の体力や目的にあったコースを選ぶことができます。
金剛山登山口へのアクセス、駐車場

アクセス(公共交通機関)
南海高野線「河内長野駅」から南海バス(金剛山伏見峠口ゆき)
金剛山の主な登山口は4ヵ所。
そのうち、公共交通機関でアクセス可能な登山口は①百ヶ辻(伏見峠林道、南登山口)②金剛登山口(西登山口)です。
バスの本数は平日は一時間に1本、週末は2~3本です。
帰りは平日なら15時台、週末は17時台が最終です。
南海電車でお得な金剛山ハイキングきっぷが販売されています。
自動車でのアクセス
①百ヶ辻(伏見峠林道、南登山口)②金剛登山口(西登山口)には有料駐車場(600円)あり
※バイクは無料駐車場があります。
③水越峠(北登山口)は水越川公共駐車場(無料)もしくは、路上駐車になります。

①百ヶ辻(伏見峠林道、南登山口)②金剛登山口(西登山口)には有料駐車場(一日600円)があります。
週末は満車になることもありますが、早朝登山者が多いため、午前10時頃からは空いてきます。

水越峠登山口へは、公共交通機関でアクセスすることができなくなりました。
駐車場は水越川公共駐車場を利用するか、路上駐車になります。
登山初心者からベテランまで人気の理由
金剛山が人気の一番の理由は、豊富な登山ルートと四季折々の自然が楽しめること。
初心者からベテラン登山者まで楽しめるルートが多数存在し、その数は破線ルートも含めると100近くあると言われています。

春はカタクリの花やニリンソウ、夏は沢登り、秋は紅葉、冬は氷瀑と様々な自然が楽しめ、自分の能力や目的に合わせて登山ルートを選択することができます。
山頂では野鳥に餌をやったり、ヒップそりを楽しんだり、友達と昼食を食べたりと楽しみ方も様々。

そのほかにも、トイレや売店などの山頂の施設が充実していることや、都心からでも約1時間ほどで行くことができ、気軽に日帰り登山が可能なことも人気の理由です。
初心者におすすめの登山ルート
- 寺谷ルート(おすすめ)
- 千早本道(メジャー)
- 伏見林道
過去に当サイトで実施した金剛山の登山者調査により、寺谷ルートは初心者おすすめのルート1位に選ばれています👇
寺谷ルートが初心者におすすめの理由
登山口 :百ヶ辻(伏見峠林道、南登山口)
標高差 :480m
コースタイム:90分
寺谷ルートは百ヶ辻(伏見峠林道、南登山口)が登山口で、伏見林道の途中から分岐します。
沢沿いを登る比較的緩やかなハイキングコースで、川のせせらぎを聴きながら、四季折々、季節を問わず楽しめるルートです。

登山口から山頂までの標高差が480m程度で、数ある金剛山のハイキングコースの中でもかなり短く約90分で登れます。
階段はほとんどなく、岩や木の根など自然を利用した登山道で、道迷いも少ないコースです。
寺谷ルートについてはこちらの記事で詳しく紹介しています👇
冬でも寺谷ルートは人気の登山コースで、霧氷や沢が凍り付いた様子をみることができます。
千早本道
登山口 :金剛登山口(西登山口)
標高差 :600m
コースタイム:120分
金剛山に登る場合、一番メジャーなのが「千早本道」で、標高差は約600m約2時間で登れます。
千早本道は山頂まで完全に整備された階段が続く登山ルートなため、道迷いや滑落などの恐れもなく、初心者におすすめのルートです。
途中、千早城跡を散策するのも楽しみの一つ。
ただし、山頂まで代わり映えしない景色が続く、地獄の階段コース。

運動不足の身体で登ると、下山では両足の挫滅を体験することになります。
中級者ルートであるツツジオ谷やカトラ谷ルートで登り、リスクの伴う下山は千早本道を使う登山者も多いです。
伏見林道(念仏坂ルート)
登山口 :百ヶ辻(伏見峠林道、南登山口)
標高差 :480m
コースタイム:150分
伏見林道は通称「念仏坂ルート」と呼ばれるルートで、山頂への荷物の運搬など、自動車が走れる幅のあるルートです。
標高差は480m程度ですが斜度が緩やかで、その分距離があります。

階段はなく、一部コンクリート舗装もされており、道迷いや滑落などのリスクが少ないため、初心者におすすめのルートです。
途中、千早園地や展望台などがあります。

春に千早園地に咲くカタクリの花や福寿草を楽しみたい方におすすめのルートです。
中級者におすすめのツツジオ谷ルート
番外編として中級者におすすめのツツジオ谷ルートも紹介します。
登山口 :金剛登山口(西登山口)
標高差 :650m
コースタイム:120分

ツツジオ谷は金剛登山口から登るルートで、鎖場やロープ、堰堤、お粗末な丸太橋などがあり、自然アスレチック感満載のルートです。
途中、腰折れ滝や二ノ滝などの滝もあります。
手を使って登るところもあり、登山のステップアップにもおすすめのルートです。
ただし、道迷いや滑落などのリスクがあるため、必ずルートを知っている中上級者の人と一緒に登るようにしましょう。
ツツジオ谷ルートについてはこちらの記事で詳しく紹介しています👇
季節ごとの金剛山の楽しみ方
金剛山が人気の理由は、気軽に四季折々の自然が楽しめる点です。
春にはカタクリの花やニリンソウが群生している場所があったり、夏はホトトギス、ヤマユリ、秋は紅葉、冬は霧氷や氷瀑を楽しむことができます。
季節ごとの見どころを知っておくことで、楽しみも倍増します。
(春)カタクリの花の群生
春の金剛山は四季の変化を感じさせてくれる様々な花が咲き誇ります。

毎年3月下旬から4月下旬頃にカタクリの花の群生を楽しむことができます。
花が意外と大きくて立派で、初めて群生を見た時の感動はきっと最高の思い出になるでしょう。
カタクリの花が楽しめるポイントは、カタクリ尾根ルート、千早園地、わさび谷ルートです。
金剛山のカタクリの花についてはこちらの記事で詳しく紹介しています👇
(春)ニリンソウの群生
カタクリの花が終わる頃、4月中旬から5月の中旬にかけて、ニリンソウの群生を楽しむことができます。

カトラ谷のニリンソウの群生地に行けば、まるで天国のようなお花畑が広がっています。
同じ場所に山シャクヤクやリンドウ、サバノオなども咲いているので、この時期のカトラ谷は金剛山に登るなら是非行っておきたい場所です。

カトラ谷のニリンソウの群生地についてはこちらの記事で詳しく紹介しています👇
(冬)ツツジオ谷の氷瀑(二ノ滝)

ツツジオ谷ルートにある「二ノ滝」では毎年1月から3月上旬にかけて氷瀑を観ることができます。
都心からもアクセスしやすい金剛山で非日常体験ができる、人気の登山ルートです。
氷瀑の真下まで行くことができるので、迫力満点。
山頂に至るまでの稜線では霧氷も楽しめます。
ただし、夏山以上に道迷いや滑落などのリスクがあるため、必ず中上級者のツツジオ谷ルート経験者と一緒に登るようにしましょう。

氷瀑はもみじ谷ルートの堰堤でも見ることができますが、迫力は二ノ滝の方があります。
ツツジオ谷の氷瀑についてはこちらの記事で詳しく紹介しています👇
金剛山の登山に必要な服装と持ち物【季節別】
金剛山の山頂は平地に比べて約7℃低く、運動後に汗冷えを起こしやすいため、季節に応じた服装と持ち物が必要です。
冬場はさらに過酷な環境で、氷点下の気温に応じた服装や、凍結した路面を安全に歩くための装備が必要になります。
登山当日の天候や山頂ライブカメラなどで状況を確認すると、服装と持ち物選びの参考になります。
山の天候は変わりやすい上に寒暖の差が大きいのが特徴です。
天気予報は参考程度に考え、冬は特に「ちょっと大げさかな?」と思えるくらいの準備の方が良いです。
春・夏・秋の金剛山の服装と持ち物

春・夏・秋の服装
金剛登山の基本
①登山の服装は化繊素材の重ね着
②夏でも防寒着を携帯
金剛登山では、綿のTシャツ、スウェット、ヒートテックは不向きです。
金剛登山は平地でのジョギングに相当する運動強度で、行動中は暑いですが、山頂の休憩中は気温が低いため寒くなります。
そのため、速乾性の高いスポーツ用の服装を重ね着し、暑い時は脱ぐ、寒くなったら着る、というように脱ぎ着して体温調節するのが基本です。
金剛山であれば、高価な登山用の服装でなくても、ユニクロのエアリズムなどでも十分対応できます。
金剛山の服装や持ち物についてはこちらの記事で詳しく紹介しています👇
春・夏・秋の持ち物
- バックパック(20ℓ程度)
- 水筒(1ℓ以上)
- レインウェア(折り畳み傘)
20ℓ程度のバックパックに水筒やレインウェア、山頂で着るための防寒着などを入れて持って行きましょう。
20ℓあれば昼食やカメラなどを入れても余裕があります。
登山ではレインウェアは必須アイテムです。
金剛山であれば最低でも折り畳み傘を持って行くようにしましょう。
基本の持ち物以外にも以下の道具があればより快適に登山が楽しめます。
- サコッシュ
- ウレタン座布団
- ブランケット
- トレッキングポール
例えばトレッキングポール。
単純に二本足で登るよりも、両手を使って4本足で登るほうが楽だし転倒のリスクも軽減します。
登山道具についてはこちらの記事で詳しく紹介しています👇
冬の金剛山の服装と装備

12月から2月の金剛山は、山頂付近で氷点下10℃を下回ることもあります。
金剛山と言えど冬は本格的な雪山となり、一つ間違えれば大事故に繋がります。
冬の服装

冬でも登山中は大量の汗をかきます。
しかし、早朝の登りはじめや山頂での休憩中はとても寒いため、防寒着を脱ぎ着して体温調節する必要があります。
冬の金剛登山の基本
①化繊素材orウール素材の重ね着
②レインウェアは必須
③防水性のある靴
④休憩時用ダウンジャケット
冬の服装の基本は、化繊素材もしくはウール素材の重ね着して保温し、透湿性のあるレインジャケットで防風、雪対策をします。
足元は雪で濡れるので、防水性のある靴を履きましょう。
※無ければ防水スプレーで代用
冬の金剛山で避けるべき服装
・綿(コットン)の下着
・ヒートテックの下着
・セーター
・ダウンジャケット
綿やヒートテックは速乾性が低いので、汗をかく金剛登山には不向きです。
またセーターやダウンジャケットは登山中は暑くて着ていられません。
冬の金剛山の服装も、ユニクロのフリースやエアリズムなどで対応できます。
詳細はこちらの記事で紹介しています👇
冬の持ち物
- チェーンスパイク
- バックパック(20ℓ程度)
- 保温ボトル(1ℓ以上)

冬の金剛山に登るならチェーンスパイクは必ず必要です。
Amazonなどで販売されている安価なもので良いので、必ず準備しましょう。
冬の金剛山に必要な軽アイゼンの解説はこちら👇
20ℓのバックパックであれば、保温ボトルやダウンジャケット、レインウェア、昼食などを余裕を持って入れることができます。
さらに、以下の道具があればより快適に登山が楽しめます。
- サコッシュ
- ウレタン座布団
- ブランケット
- トレッキングポール
- ゲイター
- ニット帽
- 手袋
例えばウレタン座布団。
雪の積もったベンチに座るときに便利で、断熱効果もあるのでお尻を冷やしません。

そのほかにも、冬の金剛山を満喫するなら「ヒップそり」「アヒル製造機」「無添加ナッツ」などがあれば、超楽しい思い出として残るでしょう。

金剛山の冬の持ち物についても、こちらの記事で詳しく紹介しています👇
【まとめ】金剛山は初心者からベテランまで楽しめる登山スポット
金剛山は、登山初心者からベテランまで幅広く楽しめる人気の登山スポットです。
登山ルートが豊富で体力に合わせて選べるうえ、登山道や山頂施設も整備されており、四季折々の自然や景色を楽しむことができます。

一方で、気軽に登れる金剛山と言えど、季節に応じた服装や持ち物選びを間違えると、大きな事故に繋がる可能性があります。
「登山は服装や道具にお金がかかりそう…」と感じる方も多いですが、金剛山の初心者向けルートであれば、ユニクロやワークマンなどで十分に対応できます。
登山グッズを安く、無駄なく揃える方法はこちらの記事で紹介👇
しっかりと準備をすれば、金剛山はとても楽しい登山の思い出を残してくれるはずです。
自分の体力やスキルに応じた登山ルートを選択し、安全で快適にステップアップしていってください。
最後までお読み頂きありがとうございます。
コメントお待ちしております。













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