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滋賀県の西側にある比良山地は、関西屈指の豪雪地帯として知られており、冬には雪化粧した山々に感動を求めて、大勢の登山者で賑わいます。
今回紹介する権現山(ごんげんやま)からホッケ山までの縦走ルートは、雪山として人気の「武奈ヶ岳」ほど標高差がなく、危険箇所も少ないため、ベテラン登山者だけでなく、雪山初心者にもおすすめのルートです。
白銀の稜線からは、眼下に琵琶湖や琵琶湖大橋が一望でき、天気が良ければ伊吹山や、遠くには中央アルプスまで望むことができます。
この記事では、権現山登山のスタート地点となる、霊仙山登山口へのアクセスや駐車場、ホッケ山までの縦走ルート、登山に必要な準備などを紹介します。
感動すること間違いなしのルートなので、是非チャレンジしてみて下さい。
縦走ルートの詳細
駐車場、トイレなどの概要
縦走に必要な準備
権現山、ホッケ山が初心者におすすめの理由
権現山とホッケ山ってどんな山?
滋賀の比良山地にある権現山(ごんげんやま)とホッケ山の概要や、権現山とホッケ山が雪山初心者にもおすすめな理由を解説します。
比良山系、権現山(ごんげんやま)とホッケ山の概要
滋賀県にある権現山(996m)とホッケ山(1050m)は、琵琶湖西岸に連なる比良山地の南側にある山です。
この辺りは標高が低いながらも冬には豪雪地帯として知られ、琵琶湖国定公園に指定されています。
京阪神からのアクセスが良いため、冬には白銀の景色を求める登山客や、びわ湖バレイでスキーを楽しむ方々で賑わいます。
比良山系は、琵琶湖西方に位置する県を代表する連峰名で、武奈ケ岳(ぶながだけ1214.4m)・比良岳(ひらだけ1051m)・打見山(うちみやま1103m)・蓬莱山(ほうらいさん1174.3m)などがあります。
琵琶湖の雄大な眺めと対照的な美しさを見せ、古くは万葉集に登場したり、「比良(ひら)の暮雪(ぼせつ)」として近江八景の1つにも数えられました。
近年では、関西のアルプスとして名高く、登山・ハイキングなどで人気を集めています。滋賀・びわ湖観光情報より引用
南側から霊仙山、権現山、ホッケ山、蓬莱山~比良山地最高峰である武奈ヶ岳(1214m)へと稜線が続きます。
山頂付近には森林がないため、眼下には琵琶湖や琵琶湖大橋、対岸には伊吹山、遠くには中央アルプスまで見渡すことができる大展望が魅力です。
冬の季節、権現山からホッケ山、蓬莱山へと続く稜線は、白銀の世界と眼下に広がる景色が圧巻で、感動することは間違いないでしょう。
権現山とホッケ山が雪山初心者におすすめな理由
権現山からホッケ山の縦走ルートは、標高差約700m、コースタイムは約4時間程度、道迷いや危険箇所も少なく、体力に自信のない雪山初心者でも、比較的登りやすいコースです。
対して、比良山地の冬山で一番人気なのが、日本二百名山の最高峰、武奈ヶ岳(ぶながたけ)です。
標高が1214mで、初心者にもおすすめの山として紹介されていることも多く、「大したことない。」と感じるかもしれませんが、実は武奈ヶ岳は結構しんどいです。
人気の御殿場コースやイン谷口コースは、どちらも標高差1000m超えで、コースタイムは6時間以上です。
標高差1000mは、ほとんどの初心者の方が辛いと感じるレベルで、アイゼンを付けて登るとなると尚更です。
加えて、武奈ヶ岳は登山口にしかトイレがありません。
往復の標準コースタイムは6時間以上、特に女性の方辛いかもしれません。
武奈ヶ岳の稜線からの景色は素晴らしいですが、権現山からホッケ山にかけての稜線も、引けを取らないほど素晴らしいです。
雪山登山は他の季節よりも危険度が増すため、いつも以上に入念な計画と準備が必要です。
まずは、権現山からホッケ山の稜線からチャレンジしてはいかがでしょうか。
権現山~ホッケ山の登山ルート、アクセスや駐車場などの概要
- 縦走登山ルートの紹介
- 登山口へのアクセスと駐車場
- トイレ、お風呂
- 登山ルートの水場
権現山からホッケ山の登山ルート
権現山からホッケ山への縦走は、霊仙山(りょうぜんやま)登山口から登るルートと、平バス停からアラキ峠を経由するルートの2通りあります。
どちらを選んでも標高差700m程で、コースタイムも4時間程度です。
※画像はタップで拡大できます。
権現山からホッケ山で往復される方や、蓬莱山まで縦走して往復される方、権現山からホッケ山、蓬莱山を縦走して、打見山からロープウェイで下山する登山者もおられます。
権現山へは、標高差は700m程度と少ないですが急登が多いため、ゆっくり上らないと結構ハードです。
霊仙山登山口からの場合、序盤は林道を歩きます。
登山道は整備されており、晴れた日は登山者も多く、トレースがしっかりと付いています。
中盤からは、東側眼下に琵琶湖が見えてきます。
急登ですが、景色を楽しみながらゆっくりと登りましょう。
権現山頂上付近からホッケ山にかけての稜線は遮るものがないため、風が強いことが多いです。
ホッケ山へは少し下って、また登る必要があります。
お昼休憩は、権現山とホッケ山とのコル(鞍部)が風も穏やかになるのでおすすめです。
上の写真は、ホッケ山頂から権現山を見た稜線です。
ホッケ山頂からは360°の大パノラマが広がり、東には伊吹山、西には皆子山が見えます。
遠くには中央アルプスまで見えることもあります。
権現山登山口へのアクセスと駐車場
霊仙山登山口と平バス停へのアクセスと駐車場を紹介します。
マイカーでアクセスする場合は、霊仙山登山口の方が駐車場が広くておすすめです。
公共交通機関を利用する場合は、平バス停から登山口が近いのでおすすめです。
霊仙山登山口へのアクセスと駐車場
霊仙山登山口へはマイカーが便利です。
公共交通機関を利用する場合は、湖西線「和邇駅」から登山口まで徒歩で5.5㎞、約1時間半かかります。
霊仙山登山口には無料の駐車場があります。
駐車場は10台程度ですが、冬季の週末は人気のため早朝に満車になります。
少し登った所に路肩駐車されている方も多いです。
登山口の標高は400m程度で、冬季は積雪、凍結のため、スタッドレスタイヤやタイヤチェーンの準備は必須です。
平バス停へのアクセス、駐車場
マイカーの場合、平バス停横に有料の駐車場があります。
Googleマップでは「皆子山登山口駐車場」と入力します。
6~7台駐車可能な無人の駐車場で、一日500円です。
満車の場合は付近に駐車場が無いので、早めに行くようにしましょう。
公共交通機関を利用する場合は、JR湖西線「堅田駅」から江若交通バス細川行きで「平」まで約30分。
バスの本数が少ないので、事前に調べておきましょう。
権現山からホッケ山縦走ルートのトイレ、お風呂
権現山からホッケ山縦走ルートのトイレ、コンビニ、お風呂事情、登山ルートの水場を紹介します。
権現山からホッケ山ルートのトイレ、コンビニ
霊仙山登山口、平バス停付近ともにトイレはありません。
霊仙山登山口の場合:道の駅「妹子の郷」
平バス停の場合:JR堅田駅
権現山からホッケ山縦走ルートは最高の稜線歩きですが、難点が登山口や稜線上にトイレがないことです。
休憩も含めて5~6時間程度、トイレを我慢しなければなりません。
※打見山まで縦走する場合は、スキー場にトイレがあります。
霊仙山登山口から登る場合、道の駅「妹子の郷」でトイレは済ませておきましょう。
道の駅「妹子の郷」にはコンビニも併設されています。
コンビニの営業時間は、朝6時から夜10時までです。
平バス停から登る場合、トイレはJR堅田駅で済ませておきましょう。
JR堅田駅前にコンビニもあります。
権現山からホッケ山縦走ルートのお風呂事情
お風呂は、道の駅「妹子の郷」から車で北に12分程走ったところに、天然温泉「比良とぴあ」があります。
食事も可能で、武奈ヶ岳の帰りに利用する登山者も多いです。
疲れた身体を休めるにはピッタリの場所です。
登山ルートの水場
霊仙山登山口から登る場合、登山口付近に水場があります。
水量は豊富で、アイゼンや登山靴を洗う登山者もいます。
そのままの飲水は非推奨です。
権現山からホッケ山縦走に必要な準備【初心者向け】
雪山初心者の方向けに、権現山からホッケ山縦走ルートに必要な準備を紹介します。
- 権現山からホッケ山縦走に必要な道具
- 天気予報、山岳保険
- あれば役立つ道具
その他の道具については、こちらの記事で詳しく解説しています↓
権現山からホッケ山縦走に必要な道具
- アイゼン
- トレッキングポール
- ゲイター(スパッツ)
- 登山アプリ
アイゼン、トレッキングポール、ゲイター
豪雪地帯のため、必ずアイゼンが必要になります。
積雪量が多いので、チェーンスパイクでは爪が浅くグリップしにくいです。
最低でも6本爪以上のアイゼンが望ましいです。
急登な場所もありますが、階段状に登山道が整備されているため、軽アイゼンとトレッキングポールでも可能なことが多いです。
週末の晴れた日には、登山者も多いためトレースもしっかりと付いています。
ただし、雪が降った直後や、朝一番に登る場合は、トレースがないこともあるので注意が必要です。
日によっては12本爪アイゼン、ワカンやスノーシューが必要なこともあります。
そのほか、ゲイター(スパッツ)も必要です。
靴の中に雪が浸入するのを防いだり、アイゼンで足を傷つけるのを防ぐ役割があります。
ぬかるんだ登山道では、足が汚れるのを防ぐ役割もあります。
雪山ではYAMAPなどの登山アプリは必須です。
※無料版でも十分使えます。
しっかりと計画を立て、予定日の天気予報はもちろん、直近の様子をYAMAPのタイムラインなどで確認しておくこと。
低温でもスマホの電源が落ちないよう、ホッカイロをスマホに貼っておくこと。
天気予報、山岳保険
登山予定日の週間天気予報、直近の天気予報は必ず調べておき、天気が怪しそうなら予定を変更しましょう。
悪天候では登っても感動が得られないばかりか、命の危険を伴います。
初心者は特に無理のない登山計画を立てましょう。
天気予報はヤマテンが詳しくて便利ですが、課金(月額330円)が必要です。
無料のサイトでは「てんきとくらす」の蓬莱山頂の天気を参考にします。
また、雪山にチャレンジするなら、山岳保険の加入をおすすめします。
万が一、何らかの事故で救助を要請した場合、民間企業が加わると100万円以上、場合によっては数百万円の費用が発生することが考えられます。
山岳保険は一日単位から加入できるものもあり、シンプルなプランを選べば安価です。
おすすめはモンベルの野外活動保険です。
ネットで加入でき、翌日の登山から適応可能です。
規約には、「アイゼンを使用する登山は(登はん)に当たるため、保証対象外。」と書かれていますが、モンベルに確認したところ、「雪山でも軽アイゼンを使用する山では保証可能。」とのこと。
安価ですが、登山以外のアウトドアにも適応されるため、おすすめです。
権現山からホッケ山縦走にあれば役立つ道具
- 偏光サングラス
- ウレタン座布団
- 山専用保温ボトル
- アヒル製造機
偏光サングラス
晴れた日の雪山では、太陽の照り返しが強いため、サングラスは必須と言ってもよいでしょう。
できれば、雑光をカットしてくれる偏光サングラスがおすすめです。
光の反射を抑制してくれるため、空や琵琶湖がとても青々と見えます。
コールマンの偏光サングラスは安価に販売されています。
偏光サングラスについては、こちらの記事で詳しく解説しています↓
ウレタン座布団
休憩時、雪の上に直接座ることになるので、お尻がとても冷たくなります。
そのため、ウレタン座布団も必須といってよいでしょう。
おすすめはバンドックのフォールディングざぶとんです。
100均のものよりも厚みがあり、耐久性も高いです。
風に飛ばされないよう注意して使いましょう。
山専用保温ボトル
雪山で暖かい飲み物やカップラーメンを食べる際に役立ちます。
クッカーでお湯を沸かしても良いですが、寒い雪山では、お湯が沸くまでに時間がかかります。
すぐにラーメンが食べられるのは大きなメリットです。
時間が経って冷めてしまっても再沸騰させれば、水から沸かすよりも断然早く沸きます。
サーモスの山専用ボトルや、モンベルのアルパインサーモボトルが高性能で有名ですが、アトラスの山専用ボトルも安価で性能も良いです。
900mlあればカップラーメン2杯分作ることが可能です。
750mlあれば、カップラーメン1杯に加えてコーヒー3杯分程度です。
アトラスの山専用ボトルは安価ですが、性能は引けを取らず十分です。
アヒル製造機
アヒル製造機は、雪山にチャレンジするなら、ぜひ持って行きたいアイテムです。
登山の疲れを忘れるほど夢中になります。
子供だけでなくベテラン登山者まで持ってきておられました。
いくつになっても子供心を忘れてはいけませんね。
単品であれば100均でも販売されています。
ぜひ楽しんでください。
最後までお読み頂きありがとうございます。
ほかにも登山に関する記事を書いていますので、合わせて読んで頂けると嬉しいです。
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