今回は「金剛山」の冬季におすすめの登山ルート、「寺谷ルート」を紹介します。
寺谷ルートは、金剛山の数あるルートの中でも、千早本道に次いで人気のあるルートで、沢沿いを登るため、氷柱や霧氷、霜柱といった冬山ならではの美しい自然に触れることができます。
冬の金剛山の中でも危険箇所が少なく、非日常の雪景色が手軽に楽しめることから、ベテラン登山者だけでなく、冬山初心者やファミリーにもおすすめです。
しかし、気軽に登れる金剛山であっても冬は雪山となるため、慎重な準備や装備が必要です。
この記事では、冬の寺谷ルートの魅力、アクセスや必要な装備などを紹介します。
冬の寺谷ルートの魅力
冬の寺谷ルートに必要な服装、持ち物
冬の寺谷ルートへのアクセス、駐車場
冬の金剛山「寺谷ルート」の魅力とは?
ここでは、冬の寺谷ルートの魅力について紹介します。
- 気軽に楽しめる雪景色
- 冬でも安全な登山ルート
- 登山者が少ない
- 野鳥とのふれあい
金剛山の人気ルートについては、こちらの記事で紹介しています↓
気軽に楽しめる雪景色
寺谷ルートは沢沿いを登るルートのため、四季折々の景色が楽しめるのが魅力です。
特に冬は霧氷や霜柱、氷柱といった冬ならではの景色に触れることができます。
気温にもよりますが、運が良ければ寺谷ルートの8合目辺りから、木の枝にびっしりと張り付いた霧氷を見ることができます。
霧氷の有無は、金剛山積雪情報で知ることができます。
そのほか、登山道のあちこちで霜柱を観ることができます。
地面から高く伸びた霜柱は、踏みつけるとザクザクっと音がして、とても気持ちが良いです。
霜柱を見つけると、ついつい踏みつけてしまうのは私だけではないはず。
また、沢沿いを登るので、氷柱もあちらこちらで観ることができます。
寒波の日には、登山道にも沢山の雪が積もっており、アヒル製造機を使って遊ぶ方もちらほら。
このように寺谷ルートでは、普段あまり体験することのない、非日常の景色を楽しむことができます。
冬でも安全な登山ルート
寺谷ルートは、登山道が整備されているため道迷いや危険箇所が少なく、比較的安全に登山を楽しむことができます。
金剛山は登山者が多いため、寒波の翌日でも登山道は踏み固められ、トレースがしっかりと付いています。
未就学児の子連れファミリーの方々もよく見かけます。
伏見峠ルートから寺谷ルートへ分岐後、しばらく登った所の岩場が少し危険ですが、手は必要なく、注意して登れば問題ないレベルです。
そのほか、雪の積もった小さな橋や斜面を横切るトラバースもありますが、チェーンスパイク(軽アイゼン)を付けていれば問題ないでしょう。
写真で見ると怖そうに感じるかもしれませんが、実際は大したことなく、むしろ変化があって楽しいと感じます。
登山者が少ない
金剛山は近畿地方で最も登山者の多い山です。
金剛山のメインルート「千早本道」では、週末には渋滞ができることもあります。
その点、寺谷ルートの登山者は比較的少なく、週末でも渋滞になることは私の経験上ありません。
静かな登山ルートで、鳥のさえずりや木々の揺れる音など、山の自然を感じながら登ることができます。
メインルートである千早本道では登山者が多く、代り映えしない階段を登りますが、寺谷ルートは冬山の魅力を感じることができ、標高差も少ないので、冬山初心者にもおすすめです。
ただし、登山者は少ないですが、千早本道と違って登山道が狭いので、登山者同士のすれ違いには注意が必要です。
登山のルールとして、基本は登る人が優先。
下山している人が、山側に寄って道を譲ります。
広い場所がある場合、登る人が譲っても良いです。
野鳥とのふれあい
寺谷ルートや金剛山頂では、ヤマガラやコガラなどの野鳥とふれあうことができます。
ルートの途中には、所々に野鳥の餌場があります。
野鳥の鳴き声が聞こえたら、無添加ナッツを手に乗せて誘ってみましょう。
冬の時期は、鳥たちも餌が少ないので沢山寄ってきます。
手に乗った時に足の動きが伝わってきて、とっても癒されます。
小鳥は重さを感じないくらい軽いです。
冬の寺谷ルートへのアクセスと装備
ここでは冬の金剛山「寺谷ルート」へのアクセスや駐車場、冬の金剛登山に必要な服装や装備について簡単に紹介します。
冬の寺谷ルート登山口へのアクセス
冬の金剛山「寺谷ルート」の登山口は、伏見峠ルートの途中にあります。
伏見峠ルートの水場が目印で、水場のすぐ横に登山口があります。
伏見峠ルートの入口へは、マイカーや南海バスで行くことができます。
マイカーでは、伏見峠ルート入口付近に駐車場があります。
ノーマルタイヤで行けることも多いですが、寒い日は凍結しているため、スタッドレスタイヤやタイヤチェーンが必須です。
二輪車は無料の駐輪場が、「金剛山ロープウェイ前」バス停付近にあります。
寒い日は凍結しているため、二輪車でのアクセスはおすすめできません。
公共交通機関を利用する場合は、南海高野線「河内長野駅」から南海バス「金剛山ロープウェイ前」で下車。
「金剛山ロープウェイ前」バス停付近には、トイレや洗い場が完備されており、汚れた靴やアイゼンを洗うことができます。
駐車料金やバスの時刻表など、寺谷ルートの詳細については、こちらの記事で詳しく解説しています↓
冬の寺谷ルートに必要な装備と服装
気軽に登れる金剛山でも、冬は滑落や低体温症などの危険が伴います。
ここでは、冬山に必要な服装や装備を簡単に紹介します。
寺谷ルートに必要な装備
冬の金剛登山では、チェーンスパイク(軽アイゼン)は必須です。
12月から翌年3月にかけて、暖かい日でも、日の当たらない場所や北側の斜面では凍結していることがあります。
寒い日は、駐車場付近からアイゼンが必要なこともあります。
ネットショップでは安価に販売されているので、必ず準備するようにしましょう。
私は安価なチェーンスパイクを使用していますが、今までこれで困ったことはありません。
冬の金剛山に必要なチェーンスパイク(軽アイゼン)については、こちらの記事で詳しく解説↓
アイゼンを忘れた場合、週末は伏見峠林道入口付近で販売されているので購入しましょう。
冬の寺谷ルートに必要な服装
冬の金剛登山の服装は、トレーナーなどの綿素材ではなく、ポリエステルなどの速乾性の高い化繊素材を重ね着(レイヤリング)することが基本です。
登山の運動量は、軽いハイキングでも平地でのジョギングに相当します。
登山中は冬でも汗をかくため、行動中は薄着、登り始めや休憩中など寒い時は厚着と、服を脱ぎ着して体温を調節します。
冬の金剛山頂は氷点下10℃以下になることもあります。
汗をかいた服装で休憩すると、低体温症の原因となる汗冷えが生じます。
基本的な重ね着(レイヤリング)は、
インナー:速乾性の高い化繊シャツ
中間着:保温性のある長袖シャツ
アウター:ウインドブレーカー
上記に加えインナーダウンがあると、予想外の寒さにも対応できます。
冬の金剛山であれば、登山専用品でなくても、ユニクロやワークマンなどで販売されている安価なものでも対応できます。
冬の金剛山に必要な服装や道具はこちらの記事で詳しく解説↓
低山であっても、冬の雪山では万全の準備をするように心がけましょう。
最後までお読み頂きありがとうございます。
他にも金剛山の氷瀑が楽しめる「ツツジオ谷ルート」の解説記事も書いています。
合わせて読んで頂けると嬉しいです。
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