今回は、名玉と言われるニコンのマニュアルレンズ、AI 28mm f/2.8Sレンズのコーティングによる違いについて比較検証を行いました。
ニコンAI 28mm f/2.8Sは、スナップ撮影から簡易マクロ撮影まで可能な高性能レンズで、ロングセラーであるため、時代によってコーティングが異なります。
この記事では、そのコーティングによる違いがどのような影響を与えるかを検証しました。
AI Nikkor 28mm/f2.8sの魅力
AI 28mm f/2.8Sの新旧の違い
名玉といわれるAI Nikkor 28mm/f2.8S
ニコンAI 28mm f/2.8Sは、1981年から2019年まで販売された超ロングセラーの名玉といわれるマニュアルレンズです。
ニッコール千夜一夜物語第五十七夜でも紹介されています。
近距離補正方式を採用しており、最短撮影距離20㎝まで寄れるこのレンズは、一本でスナップ撮影から簡易マクロ撮影まで可能です。
また、軽量、小型で気軽に持ち運びができることや、マニュアルレンズならではのピントリングの操作感も魅力で、所有欲を満たしてくれます。
私の場合、AI 28mm f/2.8Sにクローズアップレンズやワイドコンバーターを装着し、マクロ撮影から広角撮影まで気軽に楽しめるレンズとして、とても気に入っています。
ワイコンやクローズアップレンズは、小型軽量のAI 28mm f/2.8Sと相性が良いです。
さて、超ロングセラーのAI 28mm f/2.8Sは、時代により施されているコーティングに違いがあります。
2005年までのコーティングはマルチコートが採用されていますが、2006年からは非公式ですがニコンスーパーインテグレーテッドコーティングが採用されているようです。
ロットナンバーは2005年モデルまでが635073~837751番
2006年以降が900001~になっているようです。
現行では廃盤になっている為、中古品でしか手に入りませんが2006年以降は玉数が非常に少なく手に入れることが困難です。
今回、新旧ともに手にいれることができたのでコーティングによる違いがどのようなものか比較検証してみました。
AI 28mm f/2.8Sの外観の違い
左が旧タイプ、右が新タイプです。
コーティングの発色が明らかに違います。
旧タイプは青色がかった発色で、新タイプや緑がかった発色をしています。
その他の外観はまったく同じです。
ヘリコイドは旧タイプの方がやや重いですが、経年劣化によるものと考えられます。
後玉も写真ではわかりづらいですが発色に違いがあります。
当たり前ですが重さは新旧ともに同じでした。
AI Nikkor 28mm f/2.8S 新旧の光学性能
気になるのはコーティングによる違いがどの程度のものなのか?
- 逆光:開放、F11
- サイド光:開放、F11
- 順光:開放、F11
それぞれ比較検証してみました。
逆光での撮影
sic開放
mc開放
逆光で絞り開放では、両方ともフレアー、ゴーストが派手にでています。
SIC絞り11
mc絞り11
逆光の場合、絞った場合もゴースト、フレアーともにでています。
中央のゴーストの色がsicはオレンジ系、mcは青色系の色です。
sicに比べmcの方がややコントラストが低下しているでしょうか?
sicの方が空の青がやや濃い気がします。
サイド光
sic開放
mc開放
sic絞り11
mc絞り11
両方とも絞った場合の方が中央にゴーストがでていますが、撮影時間の問題でしょうか?
サイド光の場合、両者あまり違いがないように感じますがどうでしょうか?
順光
sic開放
mc開放
sic絞り11
mc絞り11
両者の違いは順光ではさらにわかりにくいです。
ニコン スパーインテグレーテッドコーティング比較のまとめ
今回、ニコンAI 28mm f/2.8Sの新旧コーティングの違いを比較してみましたが、素人目にはそこまでの違いは感じられませんでした。
比較のやり方が悪かったのかもしれません。
ただ、実用的に撮影を楽しむ上では新旧を気にするほどではないと考えます。
人気レンズの為、中古品もあまり見かけませんが、おすすめのレンズですので是非機会があれば使用してみて下さい。
ワイドコンバーターはネットショップで安価に販売されていますので、こちらもチェックしてみて下さい。
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