冬の金剛山で「幻想的な霧氷や雪景色を楽しみたい!」「ヒップソリやアヒル作りを楽しみたい! そう思っている方も多いのではないでしょうか。
金剛山は大阪や奈良県民には身近な山で、登山道がしっかり整備されており、「雪山入門」にピッタリな山です。
しかし、気軽に登れる山であるためか、毎年のようにアイゼンを持たずに登ろうとする初心者の方を多く見かけます。

冬の山頂はマイナス10℃を下回ることもあり、整備された登山道でも完全に凍結します。
「登山口に雪がないから大丈夫」、「整備された登山道があるから大丈夫」という判断は、一歩間違えれば深刻な事故に繋がりかねません。
冬の金剛山に登る際は、チェースパイクなどの軽アイゼンが必要です。
安物のチェースパイクがあれば十分楽しめます。
今回は金剛登山歴10年以上の私が、冬の金剛登山に必要なアイゼン(チェーンスパイク)や装備、出発前に確認すべき道路や登山道の積雪情報まで詳しく解説します。
この記事で分かること
冬の金剛登山に必要なアイゼン
安物でいい理由
冬の金剛登山におすすめの靴
アイゼンを着脱するタイミング
登山口や山頂の積雪情報

冬の金剛山に軽アイゼン・チェースパイクが必要な理由

- 金剛山に必要な軽アイゼンとは?
- なぜ軽アイゼンが必要なのか。
- 安物でいい理由
- おすすめの軽アイゼンとは?
冬の金剛山に必要な軽アイゼンとは?
アイゼンは4本爪アイゼン~12本爪アイゼン、チェーンスパイクなど様々なものが販売されています。
冬の金剛山で必要なアイゼンは、
チェーンスパイク、4本~6本爪アイゼン
いわゆる軽アイゼンと呼ばれるものです。

チェーンスパイクは靴の上から被せて取り付ける軽アイゼンで、着脱が簡単で歩きやすいのが特徴です。

4~6本爪アイゼンは土踏まずのところに取り付ける軽アイゼンで、爪が長いためグリップ力が強く靴底に雪玉が付きにくいのが特徴です。
チェーンスパイクと4本爪アイゼンとの違いは別記事で解説しています👇
軽アイゼンが必要な理由
登山初心者がアイゼンを持たずに登ろうとする理由は、
などではないでしょうか。
しかし、金剛山の山頂付近は地上とは全く別世界で、通常の公園に遊びにいくような装備では大事故に繋がります。
山頂は雪に覆われた別世界
金剛山は身近で気軽な山の印象があり、大きな公園の延長ととらえてしまいます。
金剛山でも標高は1125mあり、山頂では地上よりも約7℃低いです。
12月~3月の冬の金剛山では、完全に整備されたメインルートの「千早本道」も凍結しています。


登山口付近で凍結していなくても、100m上がるごとに0.6℃下がり、山頂付近では別世界となっていることがほとんどです。
金剛山は身近な山ですが、冬は全く別物で、しっかりとした準備と登山計画が必要です。
なんとか登れても下りは無理
凍結した路面を歩いたことがない多くの初心者は、スニーカーでも滑らないと過信してしまいます。
積雪ある斜面や凍結した斜面の上では、凍結した道路をノーマルタイヤで走るのと同じで、どんなに高性能なゴム底でも滑ります。


さらに、冬の金剛山の事故で多いのが下山時です。
登りはつま先荷重で何とか登れても、下山時は重心が後ろになって滑りやすく、ツルツルの路面では必ずと言ってよいほど転倒します。
柵にしがみついて降りられなくなっている登山者や、四つ這いでなんとか降りようとしている登山者をよく見かけます。
本当に毎週末と言ってよいほど、アイゼンを持たずに登って転んでいる人を見かけます。
登る時に「滑る」と感じて、軽アイゼンを持っていないなら無理に進まず、勇気を持って下山しましょう。
冬の金剛山初心者におすすめのルートはこちら👇
おすすめの軽アイゼンは?
金剛山の初心者コースに使用するなら、チェーンスパイクがおすすめです。
理由は、安価で手に入りやすく、初心者でも着脱が簡単で歩きやすいから。
「千早本道」「伏見林道」などの整備された登山コースから、「寺谷ルート」や水越峠から登る「ダイヤモンドトレール」などでも十分対応できます。
チェーンスパイクは運動靴にも取り付けることができます。


後述しますが、チェースパイクはネットショップで販売されている安価なもので十分なので、必ず準備しましょう。
おすすめのチェーンスパイクは、
安物のチェースパイクで十分な理由
チェーンスパイクはスノーラインなど10000円近くするものから、2000円程度で購入できるものまで様々あります。
Amazonなどのネットショップで出回っている安物と何が違うねんという話ですが、主観では以下の通りです。
| 高価 | 安価 | |
| 重量 | 軽い(350g以下) | 重い(450g)以上 |
| 精密度 | 高い | 低い |
| 耐久性 | 高い | 低い |
| グリップ力 | 僅かに高い | 普通 |
高いものは軽量化のために細いステンレスを使用しており、ゴムの部分にも補強がされています。
チェーンのつなぎ目もしっかりと加工されており、安心感があります。
で、なんで安物でいいのかという話ですが、個人的には、
- 僅か100gのために、倍以上の値段を出す必要はない。
- 精密度は低くても、十分使える
- 耐久性は低くても10回くらいは使える
- グリップ力の差なんてどんぐりの背比べ


アルプスの縦走登山で、雪渓を歩くために携帯するなら軽い方が良いですが、金剛山の日帰り登山で100gの差は誤差の範囲だと考えています。
安いなりの作りで、何度も使っているとチェーンの一部が外れたりしますが、修理してまた使えます。
また、ゴムが伸びて外れやすくもなりますが、そこまで使ったらなら買い替えです。
高いものは爪の数が多かったり、小さな前爪が付いていたりしますが、安物でも十分機能します。
「高いものだから滑らずに助かった。」みたいな、そもそも高いグリップ力が必要な山に行くなら、12本爪アイゼンを持って行くべきです。
結論、個人的には金剛山では安物のチェースパイクで十分ですし、金剛山以外の山でも安物チェースパイクで十分機能してくれています。
ただし、スノースパイクという簡易的な商品もありますが、冬の金剛登山にはおすすめしません。
「千早本道」や「伏見峠ルート」などの完全に整備された登山道限定であれば、使えなくもないですが、爪が短いので滑りやすいです。
また耐久性が低く、1回使用しただけで壊れることも。


上の写真のように、爪が雪に引っ付いてちぎれます。
スノースパイクではなく、チェーンスパイクの使用をおすすめします。
軽アイゼンを着脱するタイミングは?
着けるタイミングは、
登山道が凍結していたり、雪が積もっているタイミングで装着。
外すタイミングは、
凍結した道が完全に無くなった時。
チェーンスパイクなどの軽アイゼンを使用するデメリットとして、運動靴や登山靴で歩いている時よりも、足を高く上げる必要があり、歩きにくく疲れやすくなります。
そのため、登山道に雪が積もっている場合や、凍結している状態で使用するのが望ましいです。


金剛山では気温や積雪量によって、登山口からチェーンスパイクを着ける場合もありますし、途中から着ける場合もあります。
また、雪が積もっていなくても、少しでも滑ると感じたら、なるべく安定している平坦な所に座って装着しましょう。
下山時は、雪が減少してきたタイミングで、ついつい早めに外してしまいがちですが、日陰や沢沿いなど、一部で凍結しているゾーンが残っていることがあるので注意が必要です。
安全のため、凍結した道が完全に無くなってから外すようにしましょう。
濡れたチェーンスパイクを入れるビニール袋も用意しておきましょう。
チェーンスパイクを付けた時の歩き方
金剛山では、チェーンスパイクを使えば滑りにくくなります。
ただ、アイスバーンになった所や積雪量が多い時、斜度のある道などではチェーンスパイクを着けていても滑るので注意が必要です。
滑りやすい路面を歩く時のコツは、かかとから地面に接地するのではなく、靴底全体で(いわゆるベタ足)で爪を効かせて歩くのがポイントです。
フラットフィッティングがポイント!


ベタ足で歩くことを意識していても、チェーンスパイクは爪が短いので、積雪量が多かったり、溶けて緩くなった雪の上では十分に効かないことも多いです。
冬の金剛山で10本爪以上のアイゼンを使うときは?
積雪量が多い時にタカハタ谷やツツジ尾谷ルートのトラバースルートを登るなら10本爪以上のアイゼンが望ましいです。
金剛山では実際に滑落事故が起きています。
冬のタカハタ谷やツツジ尾谷ルートを登る場合は、必ず中級者以上の経験者と登るようにしましょう。


滑落の危険性があるトラバースルートでは、10本爪アイゼン以上が安全です。
気軽に登れる金剛山だからといって、冬の雪山を甘く見てはいけません。
氷瀑が観れる金剛山ツツジ尾谷ルートはこちらの記事で紹介しています👇
初心者は危険なルートは避け、安全に登れるルートを選択しましょう。
冬の金剛山の靴と濡れ対策
冬の金剛山では、軽アイゼン以外にも防水の登山靴やゲイター(スパッツ)など、あった方が望ましいです。
- 防水の登山靴
- ゲイター(スパッツ)
- 厚手の靴下
- ウレタン座布団
冬の金剛山に必要な靴
冬の金剛登山では、防水の登山靴が望ましいです。
積雪量にもよりますが、歩いていると雪が足にかかるので、必ずと言ってよいほど濡れます。


防水の登山靴が無い場合は、運動靴に防水スプレーをふっておくと、雪が浸みこまず落ちてくれます。
防水スプレーはネットショップで安価に販売されているもので十分です。
さらに、ゲイター(スパッツとも言う)があれば、くるぶしからの雪の侵入を防いでくれます。
雪道を歩いていると、くるぶし部分から雪が浸入してきて冷たいです。
積雪量が多い場合や、寺谷ルートなどの沢沿いを歩く場合は、ゲイターがあれば雪や水の侵入を防げます。
また、雪解けの道でズボンが汚れるのを防ぐこともできます。


靴下は濡れても乾きやすく、保温性が高い化繊やウール素材の厚手の靴下が望ましいです。
無ければ、綿素材の靴下を2枚履きすることと、着替えの靴下も持っていきましょう。
お尻の濡れと冷えを防ぐ
チェーンスパイクの着脱時や、休憩時に無くてはならないのがウレタン座布団です。
ウレタン座布団を持ってきていない登山初心者を本当によく見かけます。
ウレタン座布団は冬の金剛山の必須アイテムです。
ウレタン座布団は無くても怪我はしませんが、快適に登山を楽しむには必須アイテムです。


冬の金剛山ではベンチにも雪が積もっており、そのまま座るとお尻が濡れて酷い目に会います。
レジャーシートがあればお尻の濡れは防げますが、冷た過ぎて座ってられません。
必ず持って行くようにしましょう。
お連れ様の分もあると評価が爆上げです。
濡れるので、布が付いたものよりもウレタンむき出しの方が良いです。
そのほか、冬の金剛山に必要な服装や道具はこちらの記事で詳しく紹介しています👇
冬の金剛山の積雪量を確認する
金剛登山の前にネットで以下のことを確認しておきましょう。
- 金剛登山口までの道路の積雪量を確認
- 金剛山山頂の積雪量、気温の確認
金剛登山口までの積雪量を確認する
寒波で積雪量が多い日にもかかわらず、ノーマルタイヤで立ち往生して動けなくなる方が見受けられます。
金剛登山口付近の標高は500mあり、街で積もっていなくても登山口付近では積もっていることがあります。
道路に積もっていなくても、駐車場に積もっていることもあります。


自家用車で冬の金剛山に行くつもりなら、積雪情報くらい確認しましょう。
また、自家用車で雪の降る場所に行く際は、タイヤチェーンの準備を必ずしておきましょう。
金剛山頂の積雪量、気温を確認する
金剛山では山頂にライブカメラが設置されており、積雪量や気温をいつでも確認できます。
山頂の積雪量や気温が分かると、アイゼンの必要性や服装のレイヤリングの参考になります。
ただし、山頂に雪が無くても、日の当たらない場所では凍結しています。必ず軽アイゼンをリュックに入れて置きましょう。


アイゼンの必要性の目安として、金剛山積雪情報のサイトも参考になります。
ライブカメラの映像や積雪情報のサイトを確認して、安全に冬の金剛登山を楽しみましょう。
そのほか、冬の金剛山でヒップソリを楽しみたいなら、伏見峠ルートがおすすめです。
冬の伏見峠ルートはこちらの記事で詳しく紹介しています👇
【登山初心者向け】に金剛山に必要な服装や持ち物、おすすめのルートや四季折々の楽しみ方などをまとめています👇
最後までお読み頂きありがとうございます。
ほかにも金剛山に関する記事を書いていますので、併せて読んで頂けると嬉しいです。
安全で楽しい登山になることを願っています。







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