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寒さが厳しくなり、山々が雪に覆われる冬の季節。
低山であっても冬の雪山は一味違った、非日常を味わうことができる魅力があります。
今回は登山歴10年以上の私が、冬の低山ハイクに必須のアイテム、チェーンスパイクと軽アイゼン(4本爪)の違いについて、双方のメリット・デメリットを比較し、解説しています。
結論から先に伝えると、冬の低山ハイクであれば、軽アイゼン(4本爪)よりもチェーンスパイクの方がおすすめです。
初心者に雪山はハードルが高い!と考えている方も多いですが、冬の低山であれば、チェーンスパイクや冬用ウェアなどの装備があれば、初心者でも比較的簡単に雪山を楽しむことができます。
4本爪アイゼンとチェーンスパイク、どちらを購入しようか迷っている方、今年は雪山デビューしてみようかな?と考えている方におすすめの記事になっています。
是非この記事を読んでチャレンジしてみてくださいね。
・チェーンスパイクと4本爪アイゼンの違い
・チェーンスパイクのメリット・デメリット
・4本爪アイゼンのメリット・デメリット
・冬の低山にチェーンスパイクがおすすめな理由
・大阪府の耐寒登山の思い出
チェーンスパイクとは?
チェーンスパイクとは、雪や氷の上などを歩く際に、滑らずに歩くための道具のことです。爪の付いたチェーンを靴に取付けることで、その効果を発揮します。
言い方を変えると、靴に付けるタイヤチェーンです。
積雪量が少ない冬の低山や、雪道などに使用されます。
チェーンスパイクのメリット
- 装着が簡単
- 軽量コンパクト
- 歩きやすい
- 運動靴にも装着可能
- 安価
チェーンスパイクは、靴の上からゴムを被せるだけなので装着がとても簡単で、初心者でも迷うことなく装着できます。
両足ペアで300g程度と軽量で、比較的コンパクトに収納できるので、携帯にも便利です。
また、靴底全体に爪が付くので、普段と変わらない歩き方で歩けるのも魅力です。
そのほか、ソールの柔らかい3シーズン用の登山靴や、運動靴にも取付けが可能で、サイズ選びも簡単なため、初心者でも購入しやすいです。
ネットショップでは安価に販売されています。
私はネットショップで購入した安価なチェーンスパイクも使用していますが、特に困ることなく使用できています。
チェーンスパイクのデメリット
- 積雪量が多いと効きにくい
- 雪玉が付着しやすい
- 耐久性が低い
チェーンスパイクは爪が小さいため、積雪量が多いと爪の刺さりが悪く、グリップが効き難くなります。
加えて、爪の刺さりを悪化させる雪玉が靴底に付着しやすく、時々落としてやる必要があります。
積雪量が多い山域にチャレンジする際は、6本爪以上のアイゼンが望ましいです。
そのほか、チェーン部分以外はゴムでできているため、軽アイゼンに比べて耐久性が劣ります。
私が使用している安価なチェーンスパイクは、10回程度の使用でゴムが伸びてしまい、歩行中に脱げてしまうようになりました。
軽アイゼンとは?
軽アイゼンとは、雪や凍結のある登山道を滑らずに歩くための登山道具のことです。
金属製の爪が4~6本付いた簡易なものを軽アイゼンと呼び、8~12本の爪が付いたものをアイゼンと呼ぶことが多いです。
4本爪アイゼンは、軽アイゼンの中でも最も簡易なもので、簡易アイゼンと呼ぶこともあります。
4本爪アイゼンは6本爪と比べてグリップ力が弱い分、安価で軽量コンパクトなのが特徴です。
軽アイゼン(4本爪アイゼン)のメリット
ここでは軽アイゼンの中でも、4本爪アイゼンのメリットについて解説します。
- 軽量コンパクト
- グリップ力が強い
- 雪玉が付きにくい
- 安価
4本爪アイゼンは両足ペアで200g程度と軽量で、チェーンスパイクよりもコンパクトに収納できます。
携帯しやすいので、念の為にザックに入れておいたり、夏のアルプスなどの雪渓を歩く際にも便利です。
また、爪が大きいのでグリップ力が高く、靴底に雪玉も付き難いため、積雪量が多い場合に効果を発揮します。
写真は6本爪仕様のモンベルのコンパクトスノースパイク。
価格も安価なものが多く販売されており、雪山初心者にも購入しやすいです。
軽アイゼン(4本爪アイゼン)のデメリット
- 歩きにくい
- 斜面は苦手
- ズレやすい
4本爪アイゼンは土踏まずのところに装着するので、とても歩きにくくなります。
爪が大きいので、積雪量が少ない場合や岩場などでは地面に刺さらず、カクカクしてとても歩きにくくなります。
また、土踏まずのところにしか爪がないので、斜面を登る場合、つま先に力を入れると滑ります。
斜面を下るの場合も、踵部分に爪がないので、ベタ足で下る必要があります。
また、4本爪アイゼンは足の甲部分に簡易的に装着するものが多く、歩いているとズレやすいです。
踵部分に引っかけて固定するので、踵部分の盛り上がりが無いような運動靴では、さらにズレやすくなります。
上の写真のような運動靴では、後方にズレやすいので注意が必要です。
チェーンスパイクと軽アイゼン(4本爪アイゼン)の違いを比較
次にチェーンスパイクと軽アイゼン(4本爪アイゼン)を比較してみます。
- 重量と携帯性
- 販売価格
- グリップ力
- 歩きやすさ
- 装着方法
重量と携帯性の比較
写真左側が4本爪アイゼン、右側がチェーンスパイクです。
・チェーンスパイク 300g程度
・4本爪アイゼン 200g程度
どちらもコンパクトに収納できますが、4本爪アイゼンの方がチェーンスパイクに比べて、ひとまわり小さく収納できます。
また、重量も4本爪アイゼンの方が軽いです。
そのため、念の為に携帯するのであれば、軽アイゼン(4本爪アイゼン)方がメリットを感じやすいです。
販売価格の比較
・チェーンスパイク 2000~7000円程度
・4本爪アイゼン 3000~4000円程度
チェーンスパイクは、安価なものでは2000円以下で購入できるものもあります。
ブラックダイヤモンドやモンベルなど、有名ブランドのものであれば、7000円前後で販売されており、価格にやや開きがあります。
有名ブランドのものは、前爪が付いていたり、耐久性が高いなどの違いがあります。
安価なチェーンスパイク以上の性能を求めるのであれば、6本爪以上のアイゼンを購入した方がメリットが高いと考えます。
グリップ力(爪の大きさ)の比較
写真左側がチェーンスパイク、右側が軽アイゼン(4本爪アイゼン)です。
4本爪アイゼンの爪の方が明らかに大きく、地面に刺さりやすいです。
そのため、積雪量が多い場合では、チェーンスパイクよりも軽アイゼン(4本爪アイゼン)の方がグリップ力が高いです。
ただし、前述したように、軽アイゼン(4本爪アイゼン)は足の裏全体に爪がないため、つま先部分や踵部分のグリップ力に関しては、チェーンスパイクの方が高いです。
積雪量が少ない場合の上り坂や下り坂では、チェーンスパイクの方が有利です。
歩きやすさの比較
軽アイゼン(4本爪アイゼン)は、舗装された道や岩場などは非常に歩きにくいです。
また、そういった所を歩くと、ズレたり外れたりしやすいです。
その点、チェーンスパイクは足裏全体に爪があるので、舗装された道や岩場でも比較的歩きやすいです。
※靴の形状によっては、チェーンスパイクでもズレます。
歩きやすさの比較では、圧倒的にチェーンスパイクが勝ります。
装着方法の比較
チェーンスパイクはつま先部分に引っかけて、靴下を履くように装着します。
ゴムが硬いので、踵部分を入れる際に力が必要ですが、装着に迷うこともなく、比較的簡単に装着できます。
軽アイゼン(4本爪アイゼン)は、踵部分の引っ掛かりに合わせてから、1~2本のバンドで装着するものが多いです。
装着する際に、アイゼンの向きを間違えないように注意しましょう。
軽アイゼン(4本爪アイゼン)も簡単に装着できますが、物によっては登山前にバンドの長さを調節(余った部分をカット)しておく必要があります。
装着のしやすさでは、チェーンスパイクの方が勝りますが、慣れてしまえばどちらとも甲乙つけがたいです。
冬の低山(雪山)ハイクにはチェーンスパイクがおすすめな理由
ここまで、チェーンスパイクと軽アイゼン(4本爪アイゼン)の違いを伝えてきましたが、冒頭でも伝えたように、冬の低山ハイクにはチェーンスパイクの方がおすすめです。
軽アイゼン(4本爪アイゼン)は、そのメリットを活かせる場面が少ないから。
軽アイゼン(4本爪アイゼン)が、チェーンスパイクよりも優れている点は、
・携帯性が高いこと
・積雪量の多いときのグリップ力が高いこと
の2点でしたね。
携帯性に関して、チェーンスパイクや軽アイゼンは、登山開始から装着することが多く、軽アイゼン(4本爪アイゼン)のメリットは少なく感じますし、そもそもチェーンスパイクとの差があまり無く、チェーンスパイクのメリットを考えれば我慢できる差です。
グリップ力に関しては、整備された登山道を登る冬の低山ハイクでは、先行者のトレースが付いていることが多いです。
登山道は踏み固められているため、チェーンスパイクの爪でも十分なことが多いです。
※低山でも例外があります。
また、積雪量が多く、チェーンスパイクでは危ないと感じるような雪山では、そもそも4本爪アイゼンよりも6本爪以上や、本格的なアイゼンが望ましいです。
軽アイゼン(4本爪アイゼン)は、夏の高山(雪渓、残雪)に行く際の携帯に便利です。
初心者におすすめのチェーンスパイクは、ネットショップで販売されている安価なものです。
安価なものを購入する際は、クチコミを確認することをお忘れなく。
大阪府の冬の耐寒登山(金剛登山)について
話が脱線しますが、私の住む大阪府では、ひと昔前まで小学校で耐寒登山という、集団で雪山に登る授業がありました。
冬の金剛山に4本爪アイゼンを付けて登り、山頂で冷え切った弁当を食べるという、何とも過酷な行事でした。
服装も現在のような速乾性の高い化繊のウェアではなく、綿の体操服でした。
汗冷えを防ぐために、登る前に背中にタオルを入れて、山頂で抜き取るという作業がありましたが、登っている最中に背中のタオルが下の方までズレ落ちて、ほぼ意味なしだったのを憶えています。
大阪府堺市出身のモンベルの創業者、辰野勇氏も、このことについて語っておられます。
※当時は4本爪アイゼンすら無く、藁を靴に巻き付けて登っていたとのこと。
辰野氏は身体が弱かったため、残念ながら耐寒登山には参加できなかったとのことです。
耐寒登山のせいか分かりませんが、現在でも冬の金剛山では4本爪アイゼンを選択する方が多い印象です。
今はチェーンスパイクという便利なアイテムが安価に販売されていますが、他の地域ではどうなんでしょうか?
最後までお読み頂きありがとうございます。
他にも登山に関する記事を書いていますので、合わせて読んで頂けると嬉しいです。
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