和歌山県かつらぎ町にある「串柿の里 四郷(しごう)」は、約400年の歴史を持つ日本一の串柿の生産地です。
毎年10月下旬から11月下旬にかけて、山里のあちこちに吊るされる串柿の景色は圧巻で、和歌山県を代表する風景です。
この記事では、毎年のように四郷を訪れている私が、各地区(平・大久保・東谷)の見どころや撮影スポット、アクセスや駐車場情報を詳しく紹介します。
Googleマイマップで、初めて訪れる方にもわかりやすくまとめています。
是非この記事を参考に、伝統的な秋の風景を楽しんでみてください。

この記事で分かること
串柿の里「四郷」のみどころ
アクセス、駐車場、トイレ情報
おすすめの観光スポット
串柿の里周辺の観光スポット
串柿の里、四郷とは?
四郷(しごう)とは広口(ひろくち)滝(たき)東谷(ひがしたに)平(たいら)の4つの地区の総称です。
現在では、平(たいら)、大久保(おおくぼ)、東谷(ひがしたに)、神野(かんの)の4つの地区なっています。
毎年10月下旬から11月下旬にかけて、山里のあちこちに柿が吊るされ、伝統的な風景が広がります。

串柿の里 四郷(広口・滝・東谷・平)地区は、400年前から串柿の特産地として長い歴史と伝統を育んできた。
串柿は1本の細い竹串に10個の干し柿をさしたもので、三種の神器の一つである剣に見立てている。
昔から変わらない風景、串柿の時期は紅葉とも重なって壮観な景色を観ることができます。

最もおすすめするのは、東谷地区にある堀越観音周辺の景色。
それと、平地区の大久保にある定福寺周辺です。
串柿の里 四郷へのアクセス方法と注意点
串柿の里 四郷へは、自家用車またはバイクでのアクセスが基本です。
公共交通機関はありませんが、町内では予約制の乗合タクシーが運行しています。
串柿の里、四郷の観光スポットは大変入り組んでいるため、まずはマップで主要な観光スポットを確認してください。
主要な「平(柿えもん)周辺」「平(大久保・定福寺)周辺」「東谷(堀越観音)周辺」の3つの観光スポットへ行くには、選択する道が異なります。

車でのアクセス
拠点となるのは、国道480号線沿いの 道の駅「くしがきの里」です。
ここで地図を確認し、トイレ休憩を済ませてから各地区へ向かうとスムーズです。
四郷では狭い道が入り組んでおり、どの地区に行くかによって選択する道が違うので、ますは拠点となる道の駅「くしがきの里」へ行きましょう。

道の駅「くしがきの里」では特産品、柿や干し柿、あんぽ柿などが販売されています。
自分で干し柿を作るセットなども販売しています。

さすが柿の生産量、日本一の和歌山県ですね。
和歌山の柿を購入するなら、後述する柿の無人販売所がおすすめです。
運転時の注意点
四郷内は非常に道が狭く、急カーブやアップダウンも多い山道です。

対向が難しい所が多く、運転技術が必須となります。
平(たいら)地区の柿えもん周辺に車をとめて、定福寺まで徒歩で散策する方もおられます。
また、「文蔵の滝」の駐車場に車をとめて、堀越観音まで散策する方もおられます。
どちらも徒歩で散策する場合は、アップダウンが厳しいので、ハイキング用の装備が必要になります。

道が狭いためか、地元の方々はほとんど軽自動車に乗っておられます。
串柿の里、四郷ではデマンド型の乗り合いタクシーもあります。
串柿の里のおすすめ観光スポットと駐車場
主要な観光スポットの平地区の柿えもん周辺、大久保(定福寺周辺)と、東谷地区の堀越観音周辺の観光スポット、アクセスと駐車場も合わせて紹介します。
平地区【大久保・定福寺エリア】
四郷の中で最も多くの串柿が見られる、平(たいら)地区の大久保、定福寺(じょうふくじ)周辺です。

大久保では串柿工場の見学ができたり、生産者の方からあんぽ柿や干し柿を購入できたりします。
声をかけると快く応じてくれますが、多忙時期なので迷惑のならないように心がけましょう。
大久保(定福寺)の見どころ
民家の集中する大久保では至る所に串柿が干されています。
標高が高いので他の村を見下ろす景色も最高です。

伝統的な集落と串柿のコントラストがとても絵になります。

大久保では沢山の串柿が干されており、串柿作りをしている工場を見学できます。
工場の自動柿むきマシーンは子供が釘付けになるほど見ていて楽しいです。

自動柿むき機はリズミカルに凄い速さで柿をむいていきます。
手際よく作業をこなしていく場面を動画でご覧ください↓
向かれた柿は串に刺され、山里に吊るされていきます。
日本一の串柿の生産量はさすがです。

大久保では干し柿(吊るし柿)も干されています。
よく見ると串にささっておらず、紐で吊るされています。

干せば干すほど味が凝縮されていき、干し加減で食感や味が変わります。
訪問時にはぜひ購入して味わってみてください。

野点を楽しむのも面白いかもしれませんね。
大久保・定福寺エリアへのアクセス
大久保・定福寺へは、東谷方面から迂回して向かいます。
※大型車が入れる平地区、柿えもん方面からは道が狭すぎて侵入不可。
東谷へ行くルートの途中に大久保方面へ行く道があります。

- 道の駅「くしがきの里」から国道480号線を大阪方面へ
- 東谷、堀越観音の看板で左折
- 道なりに進み「大久保・定福寺」方面の看板を目印に進行
- 平の看板を三国山方面へ直進

道幅は軽自動車なら対抗できる1.5車線程度で、比較的走りやすいです。


この辺りは紅葉も綺麗です。
大久保付近まで来ると道が徐々に狭くなってきますが、四郷の中では走りやすい方です。

大久保に入ると、渋柿の甘酸っぱい香りが村中に広がっています。
秋を感じさせる香りです。

平方面の看板を三国山方面(工場見学の方向)へ直進します。
平方面へ左折したら極狭の道になり、車では後戻りできないので注意!
三国山方面に直進した所にある工場で、柿むき機を見学したり、あんぽ柿などを購入できます。
そのまま道なりに進行すると、右手に大久保・定福寺の駐車場があります。
大久保・定福寺エリアの駐車場・トイレ
大久保では定福寺に駐車場とトイレがあります。

こちらに駐車して散策します。
平地区、柿えもんエリアから徒歩で行く場合
平(たいら)地区、柿えもん方面からは道が狭すぎるため、車では侵入できません。
車を止めて徒歩で行くことは可能です。
Googleマップでも検索されない細い急坂道を約30~40分歩きます。
※ハイキング装備推奨
平エリアから定福寺方面への看板が出ています。また、地面にも矢印が書かれています。

ガードレールのない、軽自動車がギリギリの道幅です。
バイクも苔で滑りやすいので注意が必要です。
東谷(ひがしたに)地区【堀越観音】
東谷・堀越観音周辺は、四郷の中でも特に景観が美しいエリア。
標高が高く、山間の斜面に吊るされた串柿と、眼下に広がる集落の風景は圧巻です。

東谷地区・堀越観音の見どころ
東谷、堀越観音の見どころは何と言っても、静寂に包まれた中眺める串柿と山々の景観です。
大久保エリアと違い、山間で民家が少なめなため、静かでまた違った雰囲気です。

東谷から平方面を眺めることができます。

最奥まで進むと、胃腸のご利益で有名な堀越観音があります。

聞こえるのは鳥のさえずりと木々の揺れる音のみで、とても落ち着いた雰囲気です。
お寺にはイチョウやサザンカの大木もあり、紅葉も見事です。
住職夫妻の温かいおもてなしや、静寂に包まれた境内の雰囲気は格別で、訪問者からも評価されています。
「閑静でのどか。住職さんが御朱印を書いてくださり、お茶までいただきました。」
(Googleクチコミより)

私もこの日はお茶を出して頂きました。
堀越観音では、胃腸とイチョウを掛けた「いちょう飴」が販売されています。
そのほか、住職がデザインしたイチョウの手ぬぐいや銀杏などの販売もあります。

湧き水も頂くことができます。
東谷はアクセスが非常に悪いですが、ここまで来た時の景色は壮観で、是非訪れたい場所です。
東谷(ひがしたに)堀越観音へのアクセス
- 道の駅「くしがきの里」から国道480号線を大阪方面へ
- 東谷、堀越観音の看板で左折
- 道なりに進み「堀越観音」方面の看板を右折
堀越観音までは道が非常に狭いです。※軽自動車推奨
途中までは大久保・定福寺エリアと同じルートを進みます。
大久保・定福寺方面と堀越観音方面の看板を右へ。

ここからは道なりですが、道幅が狭くなり急坂になります。
Googleマイマップに記録していますが、途中に左手に一口干し柿などが置かれた無人販売所があります。

道の駅「くしがきの里」から7㎞ほど登ると最奥に堀越観音があります。

東谷、堀越観音の駐車場、トイレ
堀越観音に駐車場があります。

また、堀越観音を50mほど過ぎた所に、トイレと駐車場、堀越展望台があります。

文蔵の滝の駐車場
文蔵の滝に駐車して、そこから堀越観音まで歩く方もおられます。
文蔵の滝から堀越観音までの距離は約3.6㎞
所要時間 徒歩約90分

文蔵の滝は駐車場から徒歩3分程度なので、立ち寄ってもよいですね。
とてもパワーの感じるスポットです。

入り組んでいるので滝は見えにくいです。
平(たいら)地区、【柿えもん周辺】
四郷の中で最もアクセスしやすく、大型車でも通行可能なエリアです。
ただ、入れるのは途中まで、村の中の道は狭いです。

平地区、柿えもん周辺の見どころ
平(たいら)地区の柿えもん周辺は、道の駅「串柿の里」からもアクセスしやすく、気軽に景観を楽しむことができます。

柿えもんでは、柿やあんぽ柿、そのほか特産品などを購入できるほか、峠の茶屋ではカフェスペースもあります。

柿えもんの向かいには名水「大師井戸」への参道があります。
工場見学や吊るし柿の購入も可能です。

平地区、柿えもん周辺へのアクセス・駐車場
- 道の駅「くしがきの里」から国道480号線を大阪方面へ
- トンネル手前、鍋谷峠の看板を右折
- 道なりに進み、柿えもん周辺に駐車
道の駅「くしがきの里」から480号線を大阪方面へ向かいます。
途中、鍋谷峠、串柿の里と書かれたの看板が出てきますので、そこを右折します。

長い直線で対向車両のスピードが出ているので右折には注意が必要です。
右折して少し走ると左手に「木の国や柿えもん」というお店があります。
トイレもあります。
さらに進むと右カーブの手前に、右へ曲がる細い道があります。
初めて行くと通り過ぎてしまう恐れがあるので注意してください。

車で行きやすい柿えもん周辺には駐車場がなく、この付近に短時間駐車して散策します。
上の写真の黄色い斜線のスペース等、道幅の広くなっている所などに邪魔にならないようとめましょう。
細い道を右に曲がってすぐの所から串柿の風景を観ることができます。
【串柿の里】まとめと近隣の立ち寄りスポット

串柿の里・四郷は、和歌山の里山の秋を象徴する絶景スポットです。
平地区・大久保の定福寺周辺では伝統の串柿づくりを見ることができ、東谷の堀越観音では静寂な雰囲気のもと紅葉も堪能できます。
お土産には吊るし柿やあんぽ柿を購入したいところです。
アクセスはやや険しいですが、昔ながらの日本の原風景が残る貴重な場所です。
道の駅「くしがきの里」を拠点に、車やバイク、自転車、徒歩などで各地区をゆっくり巡ってみてください。
秋晴れの日、山里に吊るされた無数の串柿が輝く光景は、きっと忘れられない旅の思い出になるはずです。
近隣には、樹齢300年の大銀杏で有名な「丹生酒殿神社」や、広大なコスモス畑が見れる「和泉リサイクル環境公園」などもあり、串柿の里の風景以外にも絶景が楽しめるスポットがあります。
また、格安で柿が購入できる、「柿の無人販売所」もあるので、秋のドライブに立ち寄ってみるのも面白いです。
立ち寄りスポット
・丹生酒殿神社(にうさかどのじんじゃ)
・和泉リサイクル環境公園
・柿の無人販売所スポット
詳しくはこちらの記事で紹介していますので、併せてチェックしてみてください↓
最後までお読み頂きありがとうございます。
コメントなどお待ちしております。


質問、コメントお待ちしています!
こんにちは、ひとまわりです。
昨日、1年ぶり串柿の里へ行って来ました。
午後からだったので、「文蔵の滝」と「大久保地区の定福寺」のみでしたが、夕方の景色もとても良かったです。
昨年は「文蔵の滝」へ行けず、今年初めて行ってみたのですが想像以上にパワーを感じるスポットでした。
奥まった場所に滝があるので、なるべく近づいて手を伸ばしてみましたが、やはり滝壺に入らないと全体を写すのは難しいですね。
今年も暑かった影響か、まだ柿はあまり吊るされていませんでした。
それでも定福寺から見える山々と沈みゆく太陽は荘厳でいつまでも見ていられます。
(方角的に遠くは四国が見えているのでしょうか?)
17時にすごい音量で時報のチャイムが流れてワンコがびっくりしていました。
また、呼応するようにものすごい数のカラスたちが山へ帰って行ってました。
昨年の話ですが、定福寺から平地区の「柿えもん」さんまで歩いてみました。
なかなか大変な行程でしたが、道中では絶景の中で干されている柿を見ることができました。
同じく去年、堀越観音へも行ってみましたが、車だとなかなかスリリングなドライブですね。
串柿の里を満喫するには、バイクが一番良さそうです。
ひとまわりさん、こんにちは。いつもコメント頂きありがとうございます。
毎年11月になったら、大久保地区の生産者さんのところに吊るし柿を買いにいくため、今年も電話をして聞いてみたのですが、今年は遅いみたいですね。
定福寺からの景色は僕もとても好きで、いつもコーヒーを水筒にいれて持って行き、ひとりでたそがれています。
文蔵の滝は昼間でも少し薄暗くて、一人だとパワーに負けそうになります。
それと、堀越観音も好きで、細い道の途中に手ぬぐいなどが売っている無人販売があるんです。
お寺の方もアットホームでお茶を出してくれたりして、おしょうさんが染めたイチョウ柄の手ぬぐいを購入して、いまでも愛用しています。
2025年は11月中旬頃からが見頃でしょうか。