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冬の上高地トレッキングガイド!初心者も安心の中の湯温泉宿泊プラン

節約登山ガイド

閉山後、冬の上高地へは釜トンネルを歩いて通過し、登って行くしか方法はありません。

しかし、トンネルを抜けた先にある白銀の世界や、静寂に包まれた大正池や河童橋、そこから眺める焼岳や穂高連峰の景色は壮観で、夏の上高地とは全く別の世界が広がっています。

冬の上高地トレッキングは日帰りが可能で、しっかりと準備をすれば初心者でも安全に楽しめます。

しかし、標高1500mでマイナス10℃以下にもなることがある上高地では、一歩間違えると大事故に繋がる恐れもあります。

今回は冬山初心者も挑戦しやすい、中の湯温泉旅館を拠点にした一泊二日の工程で、冬の上高地の見どころやトレッキングのポイントのほか、必要な服装や装備、道具なども合わせて紹介します。

是非、チャレンジしてみてください。

この記事でわかること
冬の上高地トレッキングの基本情報
中の湯温泉旅館に宿泊するメリット
トレッキングに必要な服装、装備
トレッキングに必要な道具
YAMAPの活動日記

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冬の上高地トレッキングの基本情報

大正池の湖畔からみた穂高連峰の画像

釜トンネル~河童橋の往復
歩行距離:約15㎞
標高差:約350m
コースタイム:往復5時間~6時間半
難易度:★★☆☆☆
※週末、祝日はトレースがしっかりとついて歩きやすい

歩行距離はそこそこ長いですが、標高差は少なく初心者にも歩きやすいコースです。

コースタイムはかなりゆっくり散策して6時間程度。早い人であれば4~5時間程度です。

冬の上高地のトレッキングルート

冬の上高地トレッキングは、釜トンネルからスタートし、大正池→田代湿原→河童橋まで歩いて往復するルートが一般的です。

厳冬期上高地散策 / まんちゃんさんの活動データ | YAMAP / ヤマップ

YAMAPの活動日記も是非参考にしてください。

釜トンネルと上高地トンネル

ゲートが閉まっている釜トンネル入り口の画像

釜トンネルへはゲートの脇から中に入ります。

24時間いつでも入ることができますが、初心者の場合は登山者の多い午前9時以降に入る方が安全です。

中の湯温泉旅館に宿泊した場合は、午前6時から釜トンネル入り口まで送迎をしてくれるので大変便利です。

釜トンネル入り口には、中の湯売店や山岳警備隊の駐在所があります。

最初の釜トンネルは全長1310mで斜度は11%、標高差は100mほどあり、地味に疲れます。

トンネル内はライトが灯っており、ヘッドライト無しでも歩けます。

明かりの灯った冬の釜トンネル内の画像

釜トンネルを抜けるとすぐに次の上高地トンネル(全長588m)があり、このトンネルを抜けるといよいよトレッキングの開始です。

トレッキングルート上についたトレースの画像

状況をみて、積雪量が多ければトンネルの出口でチェーンスパイクやスノーシューを装着しましょう。

週末や祝日の午前9時以降は登山者も比較的多いため、トレースがしっかりあるので歩きやすいです。

大正池から眺める焼岳と穂高連峰

大正池から眺めた冬の穂高連峰の画像

上高地トンネルを抜けて右カーブを曲がると、正面に穂高連峰が見えてきます。

左手に大正池があり、大正池ホテル付近から湖畔に降りることができます。

湖畔から眺める景色は壮観で、左から西穂高岳、奥穂高岳、前穂高岳、明神岳と続きます。

北欧や北米を彷彿とさせる景色です。

大正池から眺める焼岳の画像
大正池から眺める焼岳

振り返れば活火山の焼岳が見えます。

大正池からの散策路

大正池から伸びる木道の画像

大正池を過ぎると、車道以外にも木道や散策路を歩くことができます。

積雪量が多いと、木道やフェンスが雪に埋もれています。境目が分からず踏み抜いて転倒してしまうため、なるべく中央を歩くようにしましょう。

登山者同士のすれ違いの際も、トレース外に出て踏み抜かないように注意しましょう。

スノーシューがあると、踏み抜きの心配が軽減するので安心です。

冬の田代湿原、田代池

大正池から河童橋に向かう途中に田代湿原、田代池があります。

白銀の世界の澄んだ池と木々の景色が日常を忘れさせてくれます。

田代湿原の湖畔の画像

冬季は梓川の西側を歩くルートは通行止めになっているため、田代湿原を楽しんだ後は車道まで引き返す必要があります。

静寂に包まれた河童橋

静寂に包まれた河童橋と穂高連峰の画像

夏季は観光客で賑わう河童橋も冬季は静寂に包まれています。

とはいえ、週末は一定数の登山者がいるので、誰もいない河童橋の写真はタイミングを見計らって撮影する必要があります。

タイミングが合えばサルと出会えることも。

誰も渡っていない河童橋の画像

振り返れば焼岳も眺めることができます。

河童橋から眺める焼岳の画像
河童橋から眺める焼岳

冬季トイレの設置場所

トイレは冬季トイレを使用します。

上高地バスターミナルの冬季トイレの画像

冬季トイレの設置場所
・釜トンネル入り口
・大正池ホテル
・中の瀬
・上高地バスターミナル
・河童橋

和式、洋式は場所により様々で、備え付けのペーパーがあります。

チップ制ではありません。

大正池ホテルの冬季トイレの画像
大正池ホテルの冬季トイレ

トイレを利用する際は、アイゼンやスノーシューは外しましょう。

トレッキングを安全に楽しむためのポイント

冬の上高地トレッキングにはルールが定められています。

冬季上高地の入山ルールが書かれた画像
  • 入山の際は必ず登山届を提出する。
  • 雪崩、落石、地吹雪に注意。
  • 冬季トイレを使用する。
  • 湿原には踏み込まない。
  • テントは小梨平野営場で張る。
  • ゴミや食料は必ず持ち帰る。

上高地公式サイトでもご確認ください。

登山届の提出

登山届は釜トンネル入り口で書いて提出できます。

また、YAMAPなどの登山アプリでの提出も可能です。

山岳警備隊の方に名前やグループの人数、行先などを聞かれることもあります。

明らかに装備が不十分な場合、釜トンネル入り口で山岳警備隊の方に入山を止められる場合があります。

雪崩、落石、地吹雪

大正池付近の車道は、毎年雪崩が起きている危険個所です。

安全を確認しながら、なるべく早く通過するようにしましょう。

地吹雪で視界不良の上高地の画像

また、天候が崩れると地吹雪が起こり、視界が悪くなります。

登山地図、YAMAPやヤマレコなどのGPS登山アプリの準備は必須です。

風も強まって、体感温度も一気に下がるので、無理をせず早めに下山するようにしましょう。

散策ルートの制限

冬の上高地では散策ルートに制限があります。

通行不可とかかれた看板の画像

登山計画とは違うコースになる場合は、案内看板を見てコースを修正しましょう。

そのほか、湿原には踏み込まないようにしましょう。

田代湿原の画像

積雪で湿原との境が分からないため、進入禁止のロープが張られています。

スノーシュートレッキングを楽しむ

積雪量が多い日にはスノーシュートレッキングがおすすめです。

アイゼン(ツボ足)では踏み抜いてしまう場所も、スノーシューがあれば歩くことができます。

スノーシューを履いているから沈まない足元の画像

普段あまり使う機会のないスノーシューですが、中の湯温泉旅館でレンタルすることができます。

トレースのついていない道を歩いて、自分だけの場所から景色を堪能してみましょう。

トレースのない場所から穂高連峰を眺めている人の画像

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中の湯温泉旅館に宿泊しよう!

冬の上高地トレッキングは日帰りも可能ですが、中の湯温泉旅館に宿泊するのがおすすめです。

冬の中の湯温泉旅館の画像

中の湯温泉旅館公式サイトはこちら

中の湯温泉旅館は冬の焼岳登山の拠点にもなっています。

中の湯温泉旅館に宿泊するメリット

中の湯温泉旅館に宿泊するメリット
・釜トンネルへのアクセスが便利
・トレッキングの準備が簡単
・トレッキング後の温泉が最高

山小屋感覚でソロ登山者も多く宿泊されています。

釜トンネルへのアクセスが便利

冬の上高地に入るためには、釜トンネルを歩いて通過する必要がありますが、釜トンネル周辺には中の湯温泉旅館以外に駐車場がありません。

他の場所からアクセスする場合は、平湯バス停や沢渡駐車場に車を停め、そこからバスを利用する必要がありますが、冬季はバスの本数が少なく、スケジュールに大きな制限が出てしまいます。

中の湯温泉旅館に宿泊すると、宿泊当日、翌日ともに旅館から釜トンネルまで送迎を行ってくれます。

送迎時間
・旅館から釜トンネルまでは朝6時から30分ごと
・帰りは中の湯売店に声をかける
※チェックイン前からでも送迎可

帰りのバスの時間を気にすることなく、ゆっくりトレッキングを楽しむことができ、翌朝一番乗りで上高地にアクセスすることもできます。

そのほか、冬は悪天候になることが多い上高地ですが、1泊2日の工程にすることで、天候に合わせて柔軟に計画を立てることができます。

積雪量が多いと中の湯温泉旅館までアクセスが心配ですが、余程悪天候でない限りスタッドレスタイヤを装着していれば二輪駆動車でもアクセス可能です。

ただし、二輪駆動車の場合は雪の安坊峠を登ることができないため、中の湯温泉旅館手前の安坊峠ゲート付近に縦列駐車し、そこから電話をして旅館の送迎を利用します。

トレッキングの準備が簡単

・お弁当がある。
・水、お湯の準備ができる。
・スノーシューのレンタルが可能。
・乾燥室がある。

中の湯温泉旅館では頼めばお弁当を準備してくれます。

また、水道水をそのまま飲料水として利用でき、部屋に備え付けのポットでお湯を沸かして持っていくことも可能です。

中の湯温泉旅館の洗面台の画像

そのほか、スノーシューとトレッキングポールのレンタルができるので、気軽にスノーシュートレッキングを楽しむことができます。

もちろん、脱着のやり方や地元の天候などの情報も教えてくれるため安心です。

私がレンタルしたときはモンベルのスノーシューでした。

中の湯温泉旅館のスノーシューの画像

中の湯温泉旅館には乾燥室もあるので、濡れた登山用品を乾かすこともできます。

トレッキング後の温泉と食事が最高

中の湯温泉旅館の夕食の画像

トレッキングを終えた後、すぐに源泉かけ流しの温泉に浸かって疲れを癒せるのも魅力です。

天気が良ければ露天風呂から穂高連峰を眺めることもできます。

※チェックアウト後は別途、日帰り入浴料金が必要です。

食事はプランによって様々ですが、鴨鍋や岩魚、信州プレミアム牛を使った料理が楽しめます。

中の湯売店

釜トンネル入り口に、中の湯温泉旅館が経営する中の湯売店があります。

とても暖かい空間で、カップラーメンなどの売店のほか、コーヒーなどの喫茶があり、お昼過ぎにはバスを待つ登山者で賑わっています。

冬季の土日祝限定で食べられるカレーが抜群においしいのでおすすめです。

中の湯売店のグリーンカレーの画像
中の湯売店のグリーンカレー

トレッキング後はこちらの売店に声をかけると、旅館まで送迎してくれます。

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冬の上高地トレッキングに必要な服装、装備、道具リスト

冬の上高地はマイナス10℃以下に達することもあり、地吹雪が生じることもある厳しい環境です。

基本的には冬の低山に使う服装、道具にプラスすると良いでしょう。

冬の上高地トレッキングの服装

序盤の釜トンネルの登りは汗をかきますが、中盤以降は標高差があまりないので汗をかくことは少ないです。

重ね着を基本とした「レイヤリング」を心がけましょう。

  • ベースレイヤー:吸湿速乾性が高い化繊またはウール素材。
  • ミドルレイヤー:フリースや薄手のダウンジャケットで保温。
  • アウター:防風、防水性のあるレインウェア
  • パンツ:化繊のインナー+トレッキングパンツ+レインウェア
  • 帽子:頭部、耳の保温に必要なニット帽やキャップ
  • グローブ:保温性、防水性のあるもの+インナーグローブ
  • 靴下:化繊もしくはウールの厚手靴下

モンベル製品で具体的に言うと、

  • ベースレイヤー:ジオライン(薄手~厚手)
  • ミドルレイヤー:ウイックロンzeo+シャミースジャケット+スペリオダウン
  • アウター:ストームクルーザージャケット
  • パンツ:ジオラインタイツ+ODパンツ+ストームクルーザーパンツ
  • 帽子:ウールニット帽
  • グローブ:ジオライングローブ+オーバーグローブ
  • 靴下:メリノウールトレッキングソックス

行動中はミドルレイヤーを脱ぎ着して体温調節します。

吹雪いている大正池付近の画像

風の通りがよい大正池付近で吹雪くと寒いのですが、全て着用すれば寒いと感じることはありません。

予備にマフラーやフリース、ダウンブランケットがあると安心です。

手はグローブ一枚だけでは寒いです。

インナーグローブとオーバーグローブの二枚重ねが最適です。

オーバーグローブは安価に済ませるなら、テムレスが評判が良いです。

オーバーグローブとして使用するなら、2サイズ程度大きいものを選んで丁度よいサイズ感です。

冬の上高地トレッキングの装備

雪道を安全に歩くための装備です。

  • トレッキングシューズ:防水性のあるミドルカット以上のもの。
  • 軽アイゼンまたはスノーシュー:滑り止めや積雪量の多い道で使用。
  • ゲイター(スパッツ):雪の侵入を防ぐために装着。
  • ヘッドライト:釜トンネル内や早朝、夕暮れ時に使用。
  • サングラスおよびゴーグル:紫外線対策、雪目防止。視界確保。
  • トレッキングポール:雪道でのバランスを保つために使用。
  • バックパック:冬装備を収納できる30ℓ以上のもの。

トレッキングシューズ、軽アイゼン、ゲイター

トレッキングシューズは雪の侵入を防ぎやすいミドルカット以上のものを選択しましょう。

斜度があまりないので、軽アイゼンは6本爪アイゼンもしくはチェーンスパイクでも可能です。

ネットショップで販売されている安価なものでも対応可能です。

スノーシューを履かない場合は、トレース上を歩くように注意しましょう。

ゲイターはできれば冬用のロングタイプが最適です。

短いものよりも雪が侵入しにくいです。

ヘッドライト、サングラス

トンネル内はヘッドライトが無くても歩けますが、早朝や日が暮れた際の備えとしても持参しておきましょう。

晴れた日は、雪で反射した紫外線が眼を傷つけます。UVカットが施されたサングラスは必須です。

悪天候時はサングラスよりもゴーグルの方が風の侵入がなく、視界が良いです。

ただし、悪天候時は眺望も期待できないため、無理をして入山するよりも、ゆっくりと温泉に浸かっておいしいものを食べたほうが幸せになれます。

トレッキングポール、バックパック

トレッキングポールがあるとバランスがとりやすく、雪道での転倒予防になります。中の湯温泉旅館でスノーシューをレンタルする場合はセットになっています。

日帰りでも冬期登山の荷物は多くなりがちです。バックパックは30ℓ以上のものが使いやすいです。バックパックカバーも併せて持っていきましょう。

冬の上高地トレッキングの持ち物

  • 食料:1食分+行動食
  • 飲み物:水やお湯を2ℓ程度(ラーメンを作る分も含む)
  • スマートフォンとモバイルバッテリー
  • 地図、GPSアプリ
  • ホッカイロ
  • クッカーセット
  • ウレタン座布団
  • 防寒具の予備
  • ゴミ袋、ティッシュ、タオル、救急セットなど

食料、飲み物

往復6時間程度のトレッキングになるので、昼食+行動食があれば対応できます。

水はラーメンを作る分も含めて2ℓ程度あれば十分足ります。夏は河童橋で補充することができますが、冬季は不可です。

保温ボトルでお湯を持っていくことで、素早く温かい飲み物を飲むことができるほか、ラーメンも早く作ることができます。

アトラスの超保温ボトルがコスパが高くておすすめです。

750mlでラーメンとコーヒーが2杯飲めます。

クッカーセット

冬の上高地では、お湯を持っていったとしても、カップに入れるとすぐに冷めてしまいます。

ラーメンなどの温かい食べ物を食べるなら、クッカーとバーナーはあった方が便利です。

SOTOのウインドマスターなど、寒冷地仕様のバーナーの方が良いですが、どちらかというと寒冷地に対応したOD缶(プロパン配合)の方が大切です。

通常のブタンのOD缶では、寒冷地仕様のバーナーでも火力が弱くなるので、雪山では必ずパーワーガスを選択するようにしましょう。

悪天候の際は屋根のある上高地バスターミナル付近で昼食にすると良いでしょう。

ウレタン座布団

ウレタン座布団がないと、休憩時やアイゼンやスノーシューを装着する際にお尻が冷たいです。

屋根の無い場所以外では雪の上に座ることになり、濡れることを想定すると布付きものよりもウレタンむき出しの方が便利です。

おすすめは安価なバンドックの座布団です。

100均のものよりも分厚くて座り心地が良く、しかも丈夫です。

お尻を守ってくれる頼もしい相棒です。

モバイルバッテリー、GPSアプリ、ホッカイロ

冬の上高地トレッキングではYAMAPなどのGPSアプリは必須です。

寒い場所ではスマートフォンのバッテリーはすぐに消耗し、最悪の場合、電源が入らなくなります。

スマートフォンを入れておく所にホッカイロを入れて対策しておきましょう。

併せて、軽量コンパクトなモバイルバッテリーも必ず持っていきましょう。

私の場合、サコッシュにスマホとホッカイロ、その他よく使うティッシュや行動食などを入れています。

防寒具の予備

休憩時に使用する薄手のフリースや、ダウンブランケットがあると安心です。

特に下半身が薄手なので、休憩時に膝かけになるものがあると快適です。

軽くてコンパクトなダウンブランケットは様々なシーンで活躍します。

余裕があれば緊急用にツェルトも持参しておきましょう。

最後までお読み頂きありがとうございます。

他にも登山に関する記事を書いていますので、併せて読んで頂けると嬉しいです。

質問、コメントお待ちしています!